【慶應義塾幼稚舎に受かる子の特徴】フリーで合格したご家庭を分析!
こんにちは、小学校受験の現役講師兼コーチのかける先生です。
今回は、実際にご縁をいただいた子、そしていただけなかった子のケースを踏まえて、慶應義塾幼稚舎に受かる子に共通する特徴や必要な能力について解説します。
慶應義塾幼稚舎と言えば、
「縁故がないとご縁をいただくのが難しい」
「フリーのご家庭はほとんどご縁をいただけない」
というイメージをお持ちの方が多いと思います。
たしかに、慶應幼稚舎は、受験者数も多く、試験も特殊であるため、フリーでご縁をいただくご家庭は少ないです。
しかし、縁故があるからといって必ずご縁をいただけるほど簡単な学校でもありません。
実際、私が運営する小学校受験オンラインコミュニティ「MAGONOTE」や願書添削で幼稚舎出身の方を複数名サポートさせていただきましたが、ご縁をいただけない方もいらっしゃいました。
逆に、まったく縁故がない一般家庭の方で、幼稚舎にご縁をいただいた方もいらっしゃいます。
そうしたご家庭やそのお子様と関わらせていただく中で、慶應幼稚舎が求める能力や性質が垣間見えることもあります。
そこで今回は、慶應幼稚舎にフリーで受かる子に見られやすい特徴について、プロの視点からなるべく具体的に解説していきたいと思います。
もちろん、フリー以外の縁故をお持ちのご家庭の皆様にとっても役立つ内容となっているので、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。
このページは約7,000字とボリューミーな内容になっているので、何度も読み返せるように必ずブックマークをしておきましょう!
また、YouTubeでも解説しているので、家事や通勤中のご視聴を希望される方は以下の動画をご確認ください!
まずは、今まで慶應幼稚舎にご縁をいただいたお子さんやそうでないお子さんの特徴、実際の試験内容などを踏まえて、幼稚舎に受かる子に見られやすい共通点について解説していきますね!
現時点でご自身のお子さんに身についている点や、逆にこれから身につけなければならない点が何かを考えながら読み進めてくださいね!
慶應幼稚舎でまず求められるのが「自由な発想力」です。
これは、慶應幼稚舎の課題から読み取ることができます。
幼稚舎の試験は、「ノンペーパー」と「発想力や独創性が求められる絵画・制作課題」の2つが大きな特徴として挙げられます。
特に、絵画や制作では、「自分の住みたい家」「なりたいものに変身できる帽子」「ドローンを使ってやりたいこと」など比較的自由度の高いテーマが出題される傾向があるため、子ども自身が自分の頭で考えて、自由に発想することが求められます。
また、実際にフリーでご縁をいただいたご家庭に試験後ヒアリングさせていただくと、やはり絵画などで、そのお子様らしい世界観を表現できていたケースが共通して見られています。
そのため、慶應幼稚舎では自由な発想力がある子が求められると考えられます。
しかし、小学校受験対策をしていると、どうしても「指示通りに動く」場面が多くなってしまいます。
実際、お教室の授業でも先生の指示を正確に聞き取って、制限時間内に課題を終えることが重視されるケースが多いのではないでしょうか。
もちろん、小学校受験において指示通りにテキパキ動く力は重要ではありますが、そのようなお子様は自由度の高い絵画や制作課題が出されると逆に手が止まってしまうことが多いです。
そのため、普段の生活や会話の中で、既存の枠組みにとらわれないように新しい視点を示したり、お子様のひらめきを大事にすることもポイントです。
また、豊かな発想は、センスだけでなく、経験の量によっても変わってきます。
そのため、普段の指示制作に自由制作の要素を織り交ぜたり、自由度の高いテーマに取り組む機会を意識的に多く作ることも大切です。
お教室の絵画や制作は、テーマが1つに定まっているケースが多いと思います。
しかし、そのような課題だけでは、豊かな発想力や想像力を育むことができません。
そうした状況を踏まえて、オンラインで100種類以上の制作が自由に取り組める「MAGONOTE」という学習サービスを提供しているため、気になる方は以下のページもあわせて確認してみてくださいね!

2つ目は、思いやりを表現できる子です。
思いやりや優しさはどの私立小学校でも基本的に求められる気質のひとつです。
しかし、ミッションスクールで求められるそれとはややニュアンスが異なります。
慶應幼稚舎で求められる思いやりは、どちらかというと「社会性」や「協調性」に近い印象を受けます。
また、慶應幼稚舎では、単にお友だち同士の間で思いやりを示せればよいというわけではなく、絵画や制作においてそれを表現できることも求められているように思われます。
つまり、自分の絵や作品に対して、子どもならではの思いやりや優しさを込められるかということです。
これができるお子様は、例えば「なりたいものに変身できる帽子」というテーマが出されたときに、「鳥になって空を飛んでみたい」と自分の願いだけを表現するのではなく、「鳥になって、お空から迷子になった人を見つけて教えてあげたい」と他者への思いやりや社会性を含めて考えることができます。
つまり、「自分がどうしたいか」だけでなく、「誰かのためにどう役に立てるか」という視点を持てるかが重要だということです。
ちなみに、この力があるお子様は、行動観察でも自分なりの目的をもちつつ他のお友だちと上手に協力できるため、評価につながりやすくなります。
絵画や制作では、テーマに合わせて自由な発想力と他者視点をバランスよく表現できることが重要になります。
そのため、日々の声掛けの中で、このようなポイントを意識することも大切にしましょう。
3つ目は、豊かな言語力や表現力がある子です。
慶應幼稚舎では、先生から絵画や制作の間に質問される言語課題もあります。
俗に言われる「お尋ね」というものです。
お尋ねでは、
「何を描いていますか」
「どうしてそれを描く(作る)ことにしたのですか」
「どこで何をしているところですか」
など、その作品を作るに至った理由や体験を問われることが多いです。
そのため、このような質問をされたときに、自分の思いを言葉にして表現できるかも非常に重要な要素になります。
また、慶應幼稚舎では、4〜6人のグループ課題だけでなく、2人組になってお互いに描いた絵を見せて発表し合うという課題も出されました。
その場面でも言語力や表現力は求められます。
初めてペアを組むお友だちに対して、自分が何を描いたか・どうしてそれを描いたのかわかりやすく伝えられるか、そして、お友だちの発表に対してしっかり耳を傾け、相手の考えを掘り下げられるかなどが重要になります。
4〜6人のグループ活動だと1人ひとりの子どもの性格が見えづらいですが、2人組だとダイレクトに見えます。
そのため、こういった課題で、しっかりとお子様の言語力や先ほど解説した思いやりを見せられるようにコミュニケーション能力を日頃から養っておくことも大切です。
4つ目は、運動能力や体力がある子です。
これは、福澤諭吉先生の考え、慶應幼稚舎の教育活動、そして、試験内容から読み取ることができます。
まず、幼稚舎で運動能力や体力が重視されるのは、福澤先生の「獣身を成して後に人心を養う」という教えに基づいたものでもあります。
そのため、受験対策ばかりに偏るのではなく、日々の中で外遊びや運動を習慣化して、心身の健やかな成長を大事にすることもポイントです。
そして、慶應幼稚舎では、入学後に四季折々の体育活動やクラブ活動、遠泳などもあります。
そういった活動や行事に取り組むためには、基礎的な運動能力や体力が求められます。
そして、慶應幼稚舎の運動テストは、まさにそのような力が備わっているかどうかを確認するような内容になっています。
具体的には、模倣体操や競争系のサーキット課題が出されることが多いです。
模倣体操では、指合わせやスクワット、両足跳び、片足バランスなど、基本的な動きが出されます。
そのため、普段の生活の中で運動習慣があれば、そこまで難しい課題ではありません。
しかし、競争系のサーキット課題では、先生からの指示やルールを守りつつ、複数の運動課題をこなさなければならないため、運動能力だけでなく、聞き取る力や短期記憶の力などもポイントになってきます。
さらに、幼稚舎では、行動観察でも「輪投げリレー」や「玉入れゲーム」「ドンジャンケン」など運動要素を含む課題が出されます。
そのため、幼稚園や保育園で行う基本的な運動を家庭でも強化し、対応できるように対策しておくことも大切です。
5つ目は、探究心を備えた子どもです。
これは、慶應幼稚舎の試験から読み取れる内容というよりも、幼稚舎を受験しご縁をいただいたご家庭の願書を添削する中で感じていることでもあります。
見事に合格を掴み取ったご家庭の願書では、テーマは違えど、1つのことに対して探究していく描写が描かれていることが多いです。
また、このような探究系のエピソードからは、子どもの好奇心や粘り強さが滲み出るだけでなく、親の関わり方やサポートの仕方も垣間見えます。
慶應幼稚舎は、親子面接がない分、願書を通じてどのようなご家庭なのかを読み手が想像できるように書くことが大切になります。
そういった意味では、こういった探究系のエピソードは、幼稚舎の願書を書くうえで1つの鍵になると思います。
ただ、このようなエピソードは、なかなか短期間で作ったり、創作できるものではないため、早い段階からお子様の興味や関心の対象を見極め、適切に支援しながら深めていく必要があります。
ちなみに、慶應幼稚舎の願書では、家庭の教育方針や志望理由を記入する「自由記入欄」の他に、福澤先生の著書である『福翁自伝』を読んで感じることを書くという内容もあります。
そのため、早いうちに課題図書を読み込んでおく必要もあります。
それを踏まえると、願書が配布されてから内容を考えていては間に合わないため、新年長に入った時点で準備する必要があります。
慶應幼稚舎の願書のポイントや書き方については、以下の記事でかなり詳しく解説しているので、こちらもあわせて確認してみてくださいね。

今回は、慶應幼稚舎に受かる子の特徴について、実際の試験やご縁をいただいたフリーのご家庭のケースを踏まえて、プロの視点から詳しく解説してきました。
慶應幼稚舎の公式HPの「入学試験Q&A」では、「受験に当たって、何か特別な準備は必要ですか」という質問に対して「特別な準備は必要ありません。志願者のありのままの様子を知りたいと考えています」と書かれています。
これは、ある意味その通りかもしれません。
慶應幼稚舎は、他の私立小学校よりも、家庭の習慣の中で自然と養われる力を特に重視している印象を受けます。
これは、「一家は習慣の学校なり、父母は習慣の教師なり」という福澤諭吉先生の教えを体現しているとも言えます。
しかし、逆に言えば、家庭の習慣が整っていなければ、幼稚舎で求められる力が育つことはありません。
そのため、今回解説した内容を踏まえたうえで、日々の過ごし方や関わり方を見直し、受験対策と並行して家庭での習慣も大切にしていただければと思います。
小学校受験の現役講師兼コーチである私が運営している小学校受験オンラインコミュニティ「MAGONOTE」では、100種類以上の制作・絵画の動画教材以外にも、受験対策や願書作成、面接対策に役立つコンテンツが多数あるため、こちらもぜひチェックしてみてくださいね!
![小学校受験SPOT[スポット]](https://resigrit.co.jp/shogakko-juken_spot/wp-content/uploads/2024/02/shogakko-juken_spot_logo_blue.webp)
