【小学校受験の願書の書き方】志望理由の例文を踏まえてプロが解説
こんにちは、小学校受験の現役講師兼コーチのかける先生です。
今回は、小学校受験の願書の書き方について、願書作成や添削経験をもとに、わかりやすく解説していきます。
小学校受験において、多くの親さんが苦労するのが願書作成です。
願書は、学校側がそのご家庭を知るための貴重な資料であるため、ご家庭の教育方針やお子さんの特長をしっかりと文章にして伝える必要があります。
また、願書は面接の際の資料としても使われるため、先生方に興味をもってもらいたいトピックがあるのであれば、それを上手に文章に盛り込むことも大切です。
ただ、初めて願書を書く親御さんの中には、
「何から始めたらいいのかわからない」
「どうやって書いたらいいんだろう」
と悩んでしまう方も多いです。
そこでこの記事では、初めて願書を作成する方に向けて、どんな手順で、どのような内容を書けばよいのかについて、願書作成のプロが解説していきます。
この記事をしっかりと読めば、願書の基本的な書き方や手順については知ることができます。
そのため、これから願書を書き始める方はもちろん、願書を書いみてはいけるけどうまくいかなくて悩んでいる方も参考にしてみてくださいね!
約20,000字超のボリューミーな内容になっているので、必ずブックマークをして何度も見返せるようにしておきましょう!
まずは、小学校受験の願書を書くためのステップを解説します。
願書作成の手順は大まかにまとめると以下の5ステップになります。
1.自己分析をする
2.願書の基本的な文章の型を学ぶ
3.文章の骨組みを作る
4.願書の下書きを作成する
5.プロの添削を受ける
小学校受験の願書を初めて書く親御さんは、いきなり文章を書こうとしてしまう方が多いです。
ですが、このようなやり方をしてしまうと「支離滅裂な内容の願書」になってしまうことがほとんどです。
また、普段から文章を書き慣れている人であっても、最初から良い内容の文章を書こうとすると、「美辞麗句を並べただけの願書」や「親バカ目線の願書」になってしまうケースが多いです。
そのため、初めて願書を書くという方は、今回ご紹介する5ステップに沿って作成することを強く推奨します。
では、それぞれのステップでやるべきことについて、コツや注意点を踏まえて詳しく解説していきますね!
自己分析をする
小学校受験において先生方のインパクトに残る願書を作成するためには、「文章を書き始める前の準備」が1番大事になります。
具体的には、願書を書く際に必要になる「要素」をしっかりと書き出しておく必要があります。
私の願書作成・添削講座では、これを「自己分析」と呼んでいます。
就職活動のご経験がある方の中には、就活を始めたり、ESを書くにあたって、自分の特徴を理解したり、これまでの経験や考え方を振り返って整理するために自己分析を行った方も多いと思います。
そして、「自分自身のこと」と「自分の仕事選びの軸」を明確にしたうえで就職活動に励んだはずです。
小学校受験でもこの「自己分析」が大切になります。
小学校受験では自己分析を通して、ご家庭の教育方針や子どもの性格・特徴を整理し、書き出すことが大切です。
さらに、そこから学校分析を行って志望校の教育理念や指導方針への理解を深める必要があります。
では、以下では自己分析を通してどんな要素を書き出せばよいのかについて、一つひとつ丁寧に解説していきますね!
1つ目は「今までの子育てにおいて何を大切にしてきたか」です。
願書を書く前にまずやるべきこと、それはご家庭の教育方針や教育観を明確にすることです。
それを知るためには、
「今までの子育てで大事にしてきたことは何か」」
「子育てでどんなことを意識しているか」
「どんな大人に育ってほしいか」
などを整理する必要があります。
ですが、小学校受験をするご家庭の親御さんは、毎日の育児や家事、お仕事に加えて、受験対策もしなければならないため、今までこのようなことをじっくり考える機会はほとんどなかったと思います。
だからこそ、願書を書き始める前に時間を取って、まずは「子育てにおいて、どんなことを大切にしてきたか」をご夫婦で振り返りながら、紙に書き出してみましょう。
ちなみに、ご家庭の教育方針や子育てで大切にしていることは、小学校受験の面接でも聞かれやすい質問のひとつなので、自己分析を通してしっかりとご自身の考えを整理し、まとめておくことで面接対策にもつながります。
2つ目は、今の子どもにどんな長所や特徴があるかです。
1つ目で、ご家庭の教育方針や教育観を振り返ることができたら、それを踏まえて現在のお子さんにどのような特徴や長所・短所があるのかを整理してみましょう。
例えば、思いやりを持つことを意識して教えてきたなら、今までの生活の中でお子さんがお友だちや親御さんの気持ちに寄り添ったり、優しい一面を見せてくれた場面が何度もあったはずです。
他にも、難しいことに挑戦したり、コツコツ努力したりすることを意識して教えてきたなら、できなかったことができるようになったり、最後まで諦めないで取り組む姿を見せたりした場面があったはずです。
このように、過去の記憶を思い出しながら、
「ここは、自分の子どもの強みだと思う」
「前よりも、こんな力が身についた!」
と思う点をどんどん書き出してみましょう。
また、子どもの特徴や長所・短所を書き出すときは、それを感じるきっかけとなったエピソードや印象に残った出来事もセットでメモしておきましょう。
先生の印象に残る願書を書けるかどうかは、子どものエピソードの内容で決まると言っても過言ではありません。
そのため、子どもの強みをアピールできるエピソードや出来事があれば、すべて書き出しておくようにしましょう。
現時点でそのようなエピソードが思い浮かばなくて悩んでいる方、今までご縁をいただいたご家庭がどのようなエピソードを使っていたか知りたい方は、こちらのオリジナル教材もチェックしてみてくださいね。
誰もが知るような有名校であれば、先生方が読む願書は数百枚〜1000枚以上にのぼります。
その中で、先生の印象に残るインパクトのある願書を書くために最も必要になのが「子どもや親に関するエピソード」です。
そこで本書では、先生方の印象に残りやすいエピソードの洗い出し方や作り方、過去の合格者のエピソード例などについて解説しています。
そのため、願書で使えるエピソードが見つからない方、願書に活用できるエピソードをこれから作りたい方は、必ずサンプルをチェックしてくださいね!
3つ目は、子どもの将来像です。
お子さんの特徴や長所・短所を分析できたら、次に「今後どのような力を身につけ、どんな大人に育ってほしいか」を考えてみるようにしましょう。
例えば、
「思いやりや優しさはあるけど、自分を表現する力が足りないから、これから身につけていってほしい」
「粘り強さは備わってきているから、興味や関心の幅を広げて、本当にやりたいことを見つけてほしい」
など、親御さんによってさまざまな思いがあるはずです。
そのため、ステップ②でお子さんの特徴や長所・短所を明確にしたら、今後身につけてほしい力などもセットで書き出してみましょう。
それとセットで「最終的にどんな大人になってほしいか」も考えてみることが大切です。
ご自身のお仕事でのご経験やAIの急速な発展、グローバル化など今の社会情勢を踏まえて考えることもポイントです。
そうすることで、これからお子さんがどのような力を身につけて、どんな大人に育ってほしいかを考えやすくなると思います。
ここまで解説してきた各要素を書き出すことができたら、それを踏まえたうえで「なぜその学校を志望するのか」を書き出して整理しましょう。
そのためにはまず、志望校のHPやパンフレット、説明会などを通して、その学校の教育理念や指導方針、求める生徒像などを深く分析し、整理する必要があります。
学校分析の具体的なやり方やポイントについては、以下の記事で詳しく解説しているため、こちらも必ずチェックしてみましょう。
学校分析ができたら以下の点を明確にしましょう。
志望校の教育方針とご家庭の教育方針で重なる部分
志望校の教育理念や指導方針の中で特に賛同・共感できる点
学校に期待すること
その学校でなければいけない理由
学校生活を通して身につけてほしい力や育ってほしい子どもの姿
そうすることで、自然とその学校を志望する理由が見えてくるはずです。
ちなみに、学校分析をするうえで1番重要になるのが「学校説明会」です。
学校説明会は、校長先生や他の先生のお話を直接聞くことができます。
また、在校生の様子を知ったり、校風を肌で感じる貴重な機会でもあります。
そのため、学校への理解を深めるためにも、学校説明会や見学会、個別相談会には必ず参加しましょう。
学校説明会に参加する際に必ずチェックすべきポイントや注意点などについては『学校説明会の心得』というオリジナル教材にまとめているので、これから説明会や見学会に参加する方は必ず確認しておきましょう。
★学校説明会のオリジナルチェックシートも付いているため、ぜひ活用してみてくださいね!
基本的な文章の型を学ぶ
ステップ1で願書に必要な要素を書き出し、整理することができたら、次は願書の基本的な文章の型を学びましょう。
基本的に小学校受験の願書では「志望理由」の記入を求められるケースが多いです。
ただ、学校によって記入項目が異なる場合もあります。
例えば、慶應幼稚舎の場合は、以下のようになっています。
「自由記入欄(本校を志望した理由、志願者の様子、家庭の教育方針等)」
他にも、東京農業大学稲花(とうか)小学校のように、複数の項目の記入を求められる場合もあります。
◯これまでの子育てにおいて「大切にしてきたこと」を一つあげ、80文字以内で記
入してくだい。
◯本校の教育指標「10の能力」の一つに掲げる「持続力」(未定)について、子育
てにおいて取り組んでいることがあれば、120文字以内で記入する。
◯志願者とインターネットやデジタル機器との関わりについて、留意していることが
あれば、120文字以内で記入欄してください。
◯保護者の職業観について、120文字以内で記入してください。(所属や役職など
は必須ではありません)
◯本校を知ったきっかけや受験を決意した理由など、志望の動機について120文
字以内で記入してください。
そのため、可能であれば早めに志望校の願書を入手して、どのような記入項目があるのか、記入欄の大きさなどれくらいか(文字数はどれくらいか)などを把握しておくようにしましょう。
少し話が逸れてしまいましたが、多くの願書で記入を求められる志望理由の書き方をご紹介します。
志望理由の書き方はいくつかありますが、その中でもオーソドックスな型は以下の通りです。
我が家では〜を大事にしています。
(我が家の教育方針は〜です。)
その結果、息子には◯◯が身につきました
(エピソードを踏まえて長所をアピール)
今後は△△を身につけ、〜な大人に育ってほしいと思っております。
貴校は□□という教育方針を掲げており、まさに私共が望む教育であるため、志願いたします。
先ほどもお伝えしたように、小学校受験の願書の型は他にもあるため、これが正解というわけではありません。
また、どの型を用いる場合でも、ステップ1で整理した「4つの要素」が必要になることは間違いありません。
そのため、ステップ1で必要な要素をしっかりと書き出せたら、次にこのような「型」を基に、文章の構成を考えていきましょう。
願書の基本的な文章の型についてもっと詳しく知りたい方、志望理由の記入例を知りたい方は以下の教材も確認しみてくださいね!
『合格する「志望理由」の書き方』では、「どんなふうに願書を書けばいいかわからない」「志望理由の具体的な書き方を知りたい」など、願書を初めて書く方に向けた内容となっています。
また、願書を書くうえで知っておくべき基本的な文章の型や書き方などについて、例文付きで解説しています。
さらに、ステップ1で解説した「自己分析」をする際に必要になる「問いかけ集」もまとめています。
そのため、お一人で自己分析や願書作成に取り組みたい方、願書の書き方や記入例を知りたい方にはサンプルをチェックしてみてくださいね!
文章の骨組みを作る
先ほどもお伝えしたように、小学校受験の願書はご家庭の教育方針や志望校の教育理念に触れながら、お子さんの特徴やエピソードなどを踏まえて書かなければなりません。
そのため、下書きを書き始める前に、ステップ1の自己分析で整理した要素のうちどれを使うかを以下の3項目に沿って決めましょう。
ご家庭の教育方針や親の教育観
→子どもを育てるうえで大事にしていること
子どものエピソード
→子どもの特長を象徴するもの
志望校の教育方針
→魅力を感じたり、共感したりする部分
特に子どものエピソードは願書のインパクトの強さを左右するため、慎重に選ぶ必要があります。
また、願書を書く際は、「ご家庭の教育方針」「子どものエピソード」「学校の教育方針」の3つに一貫性があるかどうかも大切です。
例えば、「たくましい心を育てる」という教育方針を掲げている学校の願書で以下のような志望理由を書いたとします。
※以下の文章はあくまで一つの例なので簡易的に書いています。
我が家では、人への感謝や思いやりを大切にしております。
息子の提案で、一緒にミニトマトを栽培した際、一つしか実がならなかったのですが、息子はそれを自分一人で食べるのではなく、4等分して私や隣人に分けてくれました。
貴校では「たくましい心を育てる」という教育方針を掲げており、逆境に負けない強い精神力を育むことを大切にしている私共の教育方針と一致しているため志願いたします。
この文章を読んで、違和感を覚えた方は正解です。
まず、冒頭で「我が家では、人への感謝や思いやりを大切にしております。」で書いているにもかかわらず、文章の最後で「逆境に負けない強い精神力を育むことを大切にしている私共の教育方針と一致しているため」と書いてしまっていため、ご家庭の教育方針が前半と後半で矛盾しています。
また、この文章を要素ごとに分けると、以下のようになります。
【①ご家庭の教育方針】
我が家では、人への感謝や思いやりを大切にしております。
【②子どものエピソード】
息子の提案で、一緒にミニトマトを栽培した際、一つしか実がならなかったのですが、息子はそれを自分一人で食べるのではなく、4等分して私や隣人に分けてくれました。
①のご家庭の教育方針と②のエピソードに関しては関連性や一貫性があると言えるでしょう。
ですが、ここで急に
【③学校の教育方針で魅力を感じる点】
貴校では「たくましい心を育てる」という教育方針を掲げており、逆境に負けない強い精神力を育むことを大切にしている私共の教育方針と一致しているため志願いたします。
という内容がくると、前半は「思いやり」に関して述べていたのに、後半で志望校の「たくましい心を育てる」という教育方針を無理やり持ってきている感が強くなり、一貫性がなくなることがわかります。
もちろん、②の後に「息子には小学生になったら、思いやりの心を強く持った上で、さまざまな体験を通して、自分の考えや意見をきちんと主張したり、逆境に負けないたくましさを身につけてもらいたいと思っております。」というような内容を盛り込めば、後半部分を書き換えることで一貫性を持たせることはできます。
ですが、そのようにつなげたとしても、全体のインパクトとしては弱くなってしまいます。
そのため、この場合は「①と②の両方変える」か「③を変えるか」のどちらかが必要です。
ただ、後から部分的に修正しようとしても難しいため、結局文章の書き直しが必要になるケースが多いので二度手間になってしまいます。
そうならないためにも、あらかじめ願書に盛り込む要素を決めた上で文案を考えることが大切です。
願書で使う要素を決めたら、それをステップ2でご紹介した文章の型に当てはめることで「骨組み」を作ることができます。
骨組みさえできれば、あとは字数に応じて不要な部分を削ったり、逆に肉付けしたりすればOKです。
ステップ1〜3までの下準備ができて初めて文章を書くことができます!
そのため、手間はかかりますが、ここまで解説してきたステップに丁寧に取り組んでから下書きを書き始めるようにしてくださいね!
願書の下書きを作成する
ステップ1〜3までしっかりとできたら、いよいよ願書の下書きを作成していきます。
下書きを書くにあたっての手順やポイントを以下で解説していくので、それに沿って取り組んでくださいね!
下書きは何度も何度も書き直すことになるケースが多いため、とても骨の折れる作業です。
ですが、ここまでのステップを実践してくださった方なら、いきなり下書きを書き始めた方よりも断然効率的に良い文章書き上げることができるはずです。
そのため、自信を持って取り組んでいきましょう。
まずは志望校の記入項目を把握するために過去の願書のデータを入手しましょう。
集取方法は、基本的に「幼児教室」「ネット」「知り合いのつて」の3つです。
まずは幼児教室に通っているなら早めに先生にご相談して、志望校の過去の願書データがないか確認しておきましょう。
また、過去の合格者の願書などがあれば入手しておくことをおすすめします。
もしそれが難しい場合は、ネットで探す方法もあります。
「小学校受験 願書・調査書ライブラリー」などがおすすめです。
※志望校の願書データがない可能性もあります。また、学校によっては年度が古いため、現在とは記入項目が異なる場合があるため注意しましょう。
ネットでも見つからない場合は、知り合いのつてを使って、志望校の受験経験者や在校生の保護者とつながり、その方から入手する方法もあります。
あとは、有名校であれば過去問や市販の教材などに掲載されている可能性もあるため、確認してみてください。
下書きを書くうえで過去の願書データがあると非常に役立つため、入手できるように努めましょう。
東京農業大学稲花小などのように毎年記入項目が若干異なる学校もありますが、重複する箇所も多いため、今年の願書を入手するまで待つのではなく、過去のデータを基に一通り下書きを書き終えておくことをおすすめします。
願書の文案を作成する際は、まず願書を書く人の最大字数(MAX字数)を数えることから始めます。
願書の文字数は、書き手の字の大きさによって異なります。
字数を数える方法は、まず願書をコピーして、はじめの2行程度、自分なりに読みやすい大きな文字を書いて、1行に何字書けたかを数えます。
その後、行数文計算して、MAX字数を逆算しましょう。
手書きによる記入ではなく、入力の場合は学校側が文字数を提示しているはずなので、このステップは不要です。
ここまでできたら、下書きを書き始めていきましょう。
この時のポイントは「文字数を気にしないで書くこと」です。
なぜなら、文字数を最初から気にしすぎてしまうと、本当に盛り込みたい要素を入れられなかったり、文章自体を書き進められなくなってしまうケースが多いからです。
そのため、最初は文字数をオーバーしても構いませんので、しっかりとご自身が必要だと思う要素を文章に盛り込むようにしましょう。
とはいえ、500字程度と想定される願書の記入欄に対して1000文字程度の文章を書いてしまうと、後で不要な部分を削るときに大変になりますし、場合によっては文章全体を書き直さなければなりません。
そのため、オーバーするにしても100〜150文字前後に留めておきましょう。
下書きを作成するときは、書きたいことばかりを書くのではなく、文章全体に一貫性を持たせることも意識してみてくださいね。
小学校受験の願書の文案はできればご主人が考えた方が良いと言われています。理由は、ご主人が文章を考えることで、奥様が書くよりも入学への本気度が伝わりやすいからです。
ちなみに、添削するとご主人が書いたのか、奥様が書いたのかは一目瞭然です。
下書きを一通り書くことができたら、文案を改めて読み直して、不要な箇所を削ったり、必要なところを肉付けしたりなどを繰り返すことがポイントです。
また、ご自身が伝えたいことだけを盛り込むのではなく、以下のような条件を満たしているかもチェックしてみましょう。
学校の教育理念や指導方針をきちんと理解していることが伝わる内容になっているか
先生が興味を持つ子どものエピソードを盛り込めているか
家庭の教育方針・子どものエピソード・志望する理由などに一貫性があるか
下書きを推敲する際は上記の3つのポイントを最低限満たしているか、きちんと確認してみてくださいね!
ご自身が書いた願書を見直すときは、常に先生方の視点を持つことがポイントです。
ご自身の願書を見て、先生がどんな印象を持つかを念頭に置いて推敲することでより良いものができます。
プロの添削を受ける
下書きをご自身で推敲できたら、仕上げとしてプロの添削を受けることをおすすめします。
というのも、ここまでお伝えしてきた手順で願書を作成しても、細かい言葉の言い回しや文法的なミスが見られることは多々あるからです。
特に普段文章を書き慣れていない方は、文法的な間違いや不適切な表現が見られやすいです。
先生方は、願書の内容ではなく、このような細かい点もしっかりとチェックしています。
それに、間違った表現や文法的なミスがあると、せっかく良い内容であっても、それが伝わりきらない文章になってしまいます。
そうならないためにも、プロによる添削を受けることを強く推奨します。
ちなみに、小学校受験をされるご家庭は、願書の提出をする前にプロの添削を受けているケースがほとんどです。
そのため、よっぽど文章に自信があるのであれば添削は不要かもしれませんが、そうでない場合は必ず願書の添削は受けることをおすすめします。
添削のやり方や丁寧さは担当する人によっても異なるので、ご自身のスタイルに合っていると思う添削サービスや信頼できる先生にご依頼するようにしましょう。
ここまで解説してきた内容を踏まえて、願書の「志望理由」の記入例をご紹介します。
※こちらは、あくまで一例です。構成のみ参考にしてください。
我が家では、実体験を通しての学びを大切にしています。
息子の好きな遊びの一つに「ザリガニ釣り」があります。最初は、数時間かけて一匹釣れるかどうかでしたが、最近では、「より多くのザリガニを捕まえるにはどうしたらいいか」を自分なりに考え、さまざまな道具を使ったり、自分自身が池の中に入ったりして、試行錯誤しながら捕まえられるようになりました。
貴校は、日々の授業の中で自ら考え、実践していく力、そして、困難な状況でも諦めない逞しさを養うことを大事にされており、それはまさに私共が望む教育です。
息子には、自然に溢れた貴校の環境の中で、素晴らしい先生方や個性ある仲間たちと刺激のある学校生活を送ってほしいと思い、志願いたします。
こちらの志望理由を要素ごとに分解すると、以下のようになります。
ざっくりとしたイメージは、このようになります。
ザリガニの部分では、「さまざな道具を使ったり」という箇所をもう少し具体的に記述しても良いと思います。
今回は、面接で先生方が質問する仕掛けを作るために、あえて少しぼかした表現にしています。
もし面接がないのであれば、「独自の仕掛けや捕獲機を作ったり」など、具体的に述べるとさらに良くなると思います。
志望理由を書く際は、上記の例文のように、各要素に関連性や一貫性をもたせることが大切です。
そのためには、自己分析から始めて、願書で使う要素を決めた後に文案を作成する必要があります。
そのため、願書の志望理由の下書きを書く際は、ここまで解説してきた手順を守って作成するようにしましょう。
下書きを書き終えたら、例文で示したように、ご自身が書いた文章を要素ごとに見て一貫性があるかどうかを確認するようにしてくださいね!
願書作成・添削講座
今回は私が考える願書の書き方をご紹介してきました。
ですが、ここまでを読んだうえで、
「自分1人でインパクトの願書を書き上げられる自信がない…」
「願書作成をサポートしてほしい」
「自分の下書きに自信を持てないから添削を受けたい」
というような不安やお悩みを抱えている方も多いと思います。
そのお気持ち、とてもわかります。
願書の作成手順や書き方がわかっていても、育児やお仕事で忙しかったり、文章力に自信がないと、自分1人で取り組むのは難しいですよね。
そのような方は、私の「願書作成・添削講座」もご検討ください。
私が伴走者として願書作成をサポートいたします。
私の願書作成・添削講座では、特にステップ1で解説した【自己分析】を重視しています。
なぜなら、願書作成や面接対策の肝となるのはこの自己分析だからです。
また、自己分析では、自問自答が大切なのですが、特に自問する際の「問いかけ」がポイントになってきます。
例えば、ご家庭の教育方針を書き出す時に、心の中で「今までの子育てで意識してきたことはなんだろう」と自分に問いかけると、うまく言葉にできない親御さんも多いです。
でも、
「普段子どもとどんなお約束をしているかな?」
「どんなときに叱っているかな?」
というように少し角度を変えて自問することで、ご自身の教育方針や教育観のヒントが見えたり、スムーズに書き出せるようになります。
私の願書作成・添削講座では、このような自己分析のお手伝いから願書の作成・添削まで手厚くサポートさせていただいております。
また、ご家庭のニーズに合わせて3つのプランをご用意しているため、ご自身のスタイルやご要望に合ったサービスを選ぶことができるのも魅力のひとつです。
お一人で願書を書く自信がない方、願書作成と面接対策を同時にやってしまいたい方は、以下のボタンから私の願書作成・添削講座の詳細もチェックしてみてくださいね!
ここでは、初めて小学校受験の願書を作成する方に役立つオリジナル教材をご紹介します。
お一人で自己分析や願書作成ができる自信がある方、文章力に自信がある方は、以下の教材を参考にして願書作成に取り組んでみてくださいね!
『合格する「志望理由」の書き方』では、願書の基本的な書き方や文章の型、過去の受験者の例文はもちろん、自己分析で自問する際の問いかけ(質問集)もまとめています。
さらに、願書で使うべき筆記用具や清書を書き始める前の注意点、願書でよく使用する語句や表現なども解説しています。
お一人で願書作成に取り組みたい方、願書作成の基本的な書き方や注意点を知りたいにピッタリの内容になっているので、ぜひサンプルをチェックしてみてくださいね!
『願書で使える「ネタ出し」の手引書』では、オリジナリティやインパクトのある願書を書くために必要なエピソードの作り方や書き方などについて解説しています。
また、過去にご縁をいただいた親子が実践していたエピソード例や先生方の印象に残りやすいエピソードの種類はもちろん、逆に先生方に悪印象を持たれるリスクのあるエピソード例や書き方についてもまとめています。
子どものエピソードは、子どもの長所をアピールし、願書のインパクトの強さを左右する重要な要素です。
そのため、現時点で願書で使えるエピソードが見つからない方、受験本番に向けてエピソード作りに励みたい方は、必ずサンプルを確認してくださいね!
今回は初めて願書を作成する方に向けて、どんな手順で、どのような内容を書けばよいのかについて、願書作成のプロが解説してきました。
最後まで読んでくださった方はお分かりいただけると思いますが、先生方の印象に残る良い願書を書き上げるためには、「文章を書き始める前の準備が9割」と言っても過言ではありません。
そのため、これから願書作成に取り組む方は早く書き上げたいからといって、いきなり文章を書き始めないように注意しましょう。
小学校受験の願書作成のコツは「急がば回れ」です。
この言葉を念頭に置いて、今回解説した内容を踏まえながら願書作成に取り組むようにしてくださいね!
また、私の「願書作成・添削講座」では、プランに応じて良い願書を書くための正しい手順をステップ形式でわかりやすく解説しています。
講座でご紹介する手順・方法に則って願書作成に取り掛かることができれば、文章もスムーズに書き進められますし、添削の際に大きな修正が必要になることも少ないです。
加えて、併願校がある場合も、同様の手順で作成すれば、その学校に刺さる願書を書くことができます。
そのため、願書をお一人で書く自信がない方、正しい手順で無駄なく願書を書き終えたい方は、ぜひ概要欄のリンクから、私の「願書作成・添削講座」の詳細をチェックしてくださいね!
また、願書に必要なエピソードの書き方や例文については、こちらの記事でかなり細かく解説しているため、あわせて確認してくださいね!
小学校受験の現役講師兼コーチである私が運営している小学校受験オンラインコミュニティ「MAGONOTE」では、願書作成の他に受験対策や面接対策にも役立つコンテンツが多数あるため、こちらもぜひチェックしてみてくださいね!