【小学校受験の工作】試験内容や対策方法、工作教材をプロが解説!
こんにちは、小学校受験の現役講師兼コーチのかける先生です。
今回は、小学校受験をする親御さんが対策に困りやすい「工作」の具体的な試験内容や対策のコツ、教材などについて解説します。
小学校受験では工作(制作)課題が出題されるため、ご縁をいただくためには工作の能力が必要になります。
ですが、小学校受験をする親御さんの中には、ペーパー対策に偏ってしまったり、対策の仕方がわからず、十分な工作能力を身につけられないまま試験を迎えてしまうケースが多いです。
そうならないためにも、小学校受験で実際に出題される工作の課題内容や必要な能力を把握しておく必要があります。
また、小学校受験に必要な工作能力はすぐに身につくものではないため、早い段階(年長や年中)からコツコツ対策していくことが大切です。
そこで今回は、小学校受験で出題される工作の試験内容やそれに必要な能力、対策方法などについて、おすすめの教材などを踏まえて、受験のプロが解説していきます。
小学校受験の試験で出題される工作課題
小学校受験で求められる工作能力
絶対にやっておくべき工作の対策とコツ
工作対策におすすめの教材やワーク
このページは8,000字超とボリューミーな内容になっているので、何度も読み返せるように必ずブックマークをしておきましょう!
こちらの記事を読んでくださっている方の中には、
「小学校受験の工作で具体的にどんな課題が出されるのわからない…」
という方もいらっしゃると思います。
そこでまずは、小学校受験で実際に過去に出題された工作の課題例をいくつかご紹介します。
難関校や有名校、国立小学校の過去問もご紹介するので、読み進めながらどんな工作能力が必要になるのかイメージをつかむようにしてみてくださいね!
お子さんの今の工作能力と照らし合わせながら確認することも大切です!
こちらは、田園調布雙葉小学校の折り紙を使った工作の課題です。
試験官から指示された折り方でタコを3つ作って、それを積み重ねてタワーにします。
タコの折り方自体はシンプルですが、折り紙を丸めてテープでとめたり、ハサミで切り込みを入れたり、黒のマーカーで顔を描いたりなどのさまざま工程が必要になるため、一般的な折り紙よりは難しくなっています。
小学校受験の折り紙を使った工作では、このように他の道具を使った工程が足されることが多いため、日々の対策の中でも意識することが大切です。
工作課題の中で、折り紙が使われることは非常に多いです。
そのため、できれば毎日折り紙で1作品作るようにして、折り慣れておくことが大切です。
こちらは、私立小の中でも難関共学校の一つとされている早稲田実業初等部で過去に出された、折り紙や割り箸などを使った工作の課題です。
この課題では、山折り・谷折りの順に端から均等な幅で折る「蛇腹折り」の工程が必要になります。
また、蛇腹折りした2枚の折り紙をのりで貼り付けた後、セロハンテープを使って割り箸に貼り付け、最後に広げるという流れになります。
工程の数があまり多くないためそこまで難しくはありませんが、蛇腹折りなど少し複雑な折り方をする必要があるため、普段から折り紙に触れておくことは大切です。
また、最後に綺麗な扇子に仕上がるようにするには、端と端がズレないようにのりで貼り付けることもポイントです。
そのため、基本的な工作能力を丁寧かつ正確にできるように練習することも大切です。
小学校受験の工作では、割り箸を使う課題もよく出されるので、日々の工作の中で使い慣れておくことも大切です。
こちらは、過去にお茶の水女子大学附属小学校で出題された、紙コップやストローなどを使った工作の課題です。
お茶小は工作の課題が難しいことで有名な国立小学校なので、この学校を受験するのであれば対策は必須です。
この課題では、紙コップの底に空いている穴にストローを通したり、台紙に印刷された羽や図形の形に沿ってハサミで切って貼り付けたりする工程があります。
特に台紙に印刷された形が複雑になっているため、線に沿って丁寧に切るハサミの技術が必要になります。
お茶小では、紙コップ以外に紙皿やお菓子の空き箱など、さまざまな材料を使う課題が出題されるため、普段からこれらの物を使った工作に取り組んでおくことが大切です。
紙コップや紙皿は、折り紙や画用紙などに比べて硬い素材になっていて使いづらいため、普段の工作の中でたくさん触れて慣れておくことがポイントです。
こちらは、国立小の中でトップの人気を誇る筑波大学附属小学校で過去に出された工作の課題です。
筑附小も、お茶小と同じく工作の課題が難しいと言われている国立小学校のひとつです。
そのため、この学校を受験する場合も工作の対策が必須です。
筑附小の工作の課題は毎年変わりますが、必要な工程は共通していることが多いです。
まず必ずといっていいほど必要になるのが「線に沿って紙を丸くちぎる技術」です。
年度によっては、丸だけでなく、星や三角の形に沿ってちぎるような課題が出されることもあります。
また、特定の形の中をクーピーペンで塗ったり、点と点を線でむすんだりなどの巧緻性も含まれていることが多いです。
そして、ちぎる作業と同じくらい「蝶結び(ひも結び)」の工程も求められることが多いため、その練習もきちんとしておくようにしましょう。
筑附小は毎年求められる工作能力が共通しているため、受験する方は過去問分析を徹底的に行うようにしましょう。
こちらは、私立小学校の中でもペーパー最難関校の一つと言われる成蹊小学校で過去に出された工作の課題です。
この課題では「折り紙で犬を折って顔を描く」「丸の形に沿ってハサミで切る」「とじ紐を穴の裏側から通して蝶結びをする」などの工程を踏む必要があります。
それぞれの工程自体はそこまで難しくありませんが、基本的な工作能力が求められる課題でもあります。
そのため、折り紙に普段から触れていなかったり、ハサミで切ることに慣れていなかったり、紐結びができないと難しいでしょう。
逆に、普段の工作を通して基礎的な力が身についていれば問題なく作ることができると思います。
成蹊では、印刷された特定の形に沿ってハサミで切ったり、紐を通して結んだりする工作能力が求められるケースが多い印象です。
こちらは、カリタス小学校で過去に出された、魚釣りセットを作る工作の課題です。
この課題では、魚の台紙に目やひれ、ウロコなどを描いたり、魚の形に沿ってハサミできれいに切ったりする工程が求められます。
魚の形を切る過程では、体の曲線や背びれに沿って台紙を持ち替えて切る技術が求められるため、ハサミを使い慣れておくことが大切です。
また、釣竿を作る過程で必要なチラシを細く巻く作業は、慣れていないお子さんにとっては難しいため、このような練習をしておくこともポイントです。
ちなみに、工作の課題で作った釣りセットはその後の行動観察でも使うため、しっかりと先生の指示に沿って作れることが重要になります。
過去に他の学校でも似たような課題が出されたことがあるため、魚釣りセットは必ず1回は作っておくことをおすすめします。
こちらは、先ほどもご紹介したお茶小で過去に出題された、お花紙やビニール袋などを使った工作の課題です。
この課題では、ビニール袋にお花紙をクシャクシャに丸めて詰めながら、魚の形に整えていき、モールで留める工程が必要になります。
また、台紙に印刷された背びれや胸びれの形に沿ってハサミで切って、セロハンテープで留める作業もあります。
一つひとつの工程はそこまで難しくありませんが、工作に慣れていないと途中でつまづいてしまう可能性は十分あります。
そのため、繰り返しになりますが、お茶小ではこのように多種多様な材料を使った課題が毎年出題されるため、幅広い工作に取り組んでおくことがポイントです。
モールを作った課題も小学校受験でよく出されるので、普段から工作の中で使い慣れておくようにしましょう!
先ほどご紹介した過去の工作の課題を踏まえたうえで、ご家庭でトレーニングしておくべき工作能力をご紹介していきます。
小学校受験では基本的な工作能力が求められるケースが多いですが、学校によっては少し高度な技術も求められます。
また、工作に必要な力はすぐに身につくものではないのではないので、できれば年少や年中の段階からコツコツ身につけていくことが大切です。
すでに年長になっている方は、大急ぎで取り組み始めるようにしてくださいね!
以下でご紹介する工作能力が今のお子さんにどれくらい身についているか確認しながら読み進めてくださいね!
1つ目は、ちぎる・ねじるという工作能力です。
先ほどご紹介したように、筑附小などでは丸や三角など特定の形に沿って手でちぎる課題が出されます。
また、画用紙やモールをねじる工程も求められることが多いです。
そのため、ちぎるとねじるはセットでトレーニングしておくようにしましょう。
「ちぎる」に関しては、最初はちぎり絵などを通して自由に紙をちぎることから始めて、少しずつ形のレベルを上げていきましょう。
ねじるに関しては、モールを使った工作に取り組んだり、お手伝いの一貫として布巾や雑巾をしぼったりする経験をさせることをおすすめします。
ちぎる・ねじるという作業では、指先の力や握力が必要になるため、少しずつ取り組ませて筋力を発達させていくこともポイントです。
2つ目は、ハサミで切る技術です。
これは小学校受験の工作課題に取り組むうえで必須の能力なので、しっかりとトレーニングしておきましょう。
また、先ほどご紹介したように、小学校受験ではシンプルな形だけでなく、星や魚など複雑な形を切らせる課題もよく出されます。
線に沿ってまっすぐ切らせたり、いろいろな形を切り抜いたりさせて、レベルを上げていきましょう。
また、ハサミを使い慣れていないお子さんは、入り組んだ部分などを切ったり、方向転換したりするときに、一旦刃を抜こうとすることが多いですが、一度刃を入れたら、そのまま切り進められるようにトレーニングすることも大切です。
ハサミは、正しい持ち方を教えたうえで、とにかくいろいろなものを切らせて慣れせる必要があります。
3つ目は、のりやテープを使って貼る能力です。
これも、ハサミと同じくらい小学校受験の工作で欠かせない能力のひとつです。
例えば、丸くちぎった目玉をスティックのりで貼ったり、ねじった紙をセロハンテープで留めたりなどの課題が出されます。
そのため、普段の工作を通してしっかりとトレーニングしておくようにしましょう。
また、のりにも「スティックのり」「アラビアのり」「ヤマトのり」などさまざまな種類があり、学校によって違うため、いろいろなタイプののりを使い慣れておくこともポイントです!
のりの種類によって塗り方や量なども変わってくるため、そのような点もセットで教えておくようにしましょう。
4つ目は、折り紙の基本的な技術です。
小学校受験では、工作課題の一環として折り紙を使う場合と、折り紙だけを使った課題を出してくる学校があります。
先ほどご紹介した中から例を出すと、前者は成蹊小学校の「犬のメダルづくり」、後者は田雙の「タコタワー」などが該当します。
いずれの場合も、そこまで高度な折り方が求められるわけではありませんが、端がズレないようにピッタリ折ったり、山折りと谷折りを繰り返す「蛇腹折り」をしたりなど、基本的な折り方は求められます。
そのため、普段から折り紙を習慣化して触れておくことは大切です。
折り紙は巧緻性だけでなく、指示行動の練習にもなるので、毎日1作品は作ることをおすすめします!
5つ目は、紐通しと紐結びです。
これらは、筑附小や成蹊小など、さまざまな学校で求められる技術のひとつです。
また、結び方に関しては蝶結びと片結びなどを指示されることが多いです。
そのため、今の時期に蝶結びがきれいにできるかどうかも確認しておきましょう。
紐通しや紐結びは、普段の工作の中でトレニーングしながら、紐履やズボンの紐などを通して練習させることもポイントです。
また、学校によって綴じ紐を使う場合もあれば、リボンなどを使う場合もあるため、いろいろな素材のもので素早く・正確に蝶結びをする練習もしておくようにしましょう。
他にも風呂敷で包んだり(早稲田実業初等部)、行動観察などで縄跳びを使って片付けるときに「結ぶ」という力が必要になることもあります。
最後は、ぬる・なぞるという工作能力です。
工作課題の一環として、特定の形の中を素早くぬったり、点線の上をなぞったりなどする工程が求められることが多いです。
先ほどご紹介した中から例を出すと、前者は筑附小の「野球をする男の子」やお茶小の「魚づくり」などが該当します。
「ぬる」練習は、「ぬりえ」がとてもおすすめです。
ぬりえは子どもが興味を持って取り組みやすいですし、絵画の対策にもなります。
また、クーピーやポンキーペンシル、クレヨンなどさまざまな種類の教具を使って、素早く・丁寧にぬれるようにトレーニングしておきましょう。
ぬったり、なぞったりなどの運筆能力は小学校受験で最も重要な巧緻性のひとつとも言えるので、早め早めにコツコツ練習しておくこともポイントです。
本屋さんやネットショップには、さまざまな工作の問題集や教材があります。
その中には、良い教材もあれば、そうでない教材もあります。
そこで以下では、さまざまな小学校受験の工作問題集や工作キットを分析してきた私が、工作教材を選ぶときに重視すべきポイントを解説します。
それは以下の5つです。
1.動画解説がついているか
→動画解説が付いていれば、親御さんがお仕事や家事で忙しくても、お子さんが1人で映像を見ながら取り組むことができます。
2.工作課題の種類が充実しているか
→小学校受験では、色画用紙を使った課題もあれば、折り紙や紙コップなどを使った課題もあり、それによって必要になる巧緻性も変わってくるため、さまざまな工作課題に取り組める教材を選ぶことが大切です。
3.さまざまな道具や材料を使う課題が豊富に用意されているか
→小学校受験の実際の試験ではさまざまな材料を使う課題が出されるため、多種多様な材料を使わなければならない課題がまとまった教材やサービスを積極的に利用することをおすすめします。
4.過去問レベルに対応しているか
→小学校受験の工作の実践練習をしたいのであれば過去問が1番効果的なので、各学校の過去問が含まれている教材を選ぶこともポイントです。
5.子どもが自主的に取り組めるか
→工作対策はお子さんが嫌がっている状態で取り組ませても意味がないので、お子さん自身が「やってみたい!」「つくってみたい!」と思えるような教材を選ぶこともポイントです。そのためには、「工作課題の種類(充実度)」や「解説動画のわかりやすさや掛け声」などが重要になってきます。
小学校受験用の工作の教材を探している方は、このようなポイントを重視して選ぶようにしてくださいね!
小学校受験用の工作教材をお探しの方に、ぜひおすすめしたいのが、私が運営している小学校受験オンラインコミュニティ「MAGONOTE」です。
他の工作教材と比較したときのMAGONOTEの特長は主に3つです。
1つ目は、工作課題の充実度です。
MAGONOTEでは、60種類以上の工作の動画コンテンツが用意されており、使い放題となっています。
また、年中〜年長のお子さん向けの工作課題はもちろん、年少以下のお子さんが楽しく作れる課題も揃えています。
さらに、筑附小やお茶の水、早実初等部など、工作が難しい有名校の過去問もあります。
ちなみに最初にご紹介した過去の工作の課題例はすべてMAGONOTEの作品です。
もちろん、折り紙や色画用紙、紙コップ・紙皿、モールなど、さまざまな道具を使う課題も用意しているため、コツコツ取り組む中で、受験の工作で必要な巧緻性や技術を身につけることができます。
2つ目は、すべての工作課題に音声付きの解説動画がついていることです。
また、工作教材の解説動画では、小学校受験の現役講師である私が指示や掛け声をしながら教えています。
実際、MAGONOTEを使ってくださっている方からも、
「息子がかける先生と工作したいと言って毎日取り組んでいます!」
「工作嫌いだった娘が楽しそうにひとりで取り組んでくれて、親の負担もストレスも格段に減りました!」
などとても嬉しいお言葉をいただいております。
つまり、必要な教具さえご用意いただけたら、あとはお子さんが動画を見ながら1人で課題を進められるスタイルになっているということです。
そのため、工作課題を毎日やらせたいけど家事やお仕事が忙しくて現実的に難しい方、プロの解説動画付きの工作教材がほしい方にはピッタリだと思います。
最後は、工作課題以外のコンテンツも充実していることです。
具体的には、30種類以上のペーパー教材や楽しく学べる理科実験、毎月の個別面談、会員限定の受験ノウハウなどを提供しています。
受験では、工作や巧緻性以外の対策も必須なので、総合的に対策できる点も大きな魅力のひとつです。
デメリットとしては、2つです。
1つ目は、工作に必要な材料をご自身で揃えていただく必要があることです。
60種類以上の工作教材があるため、使用する材料もさまざまですが、先ほどお伝えしたように、色画用紙やシール、紙粘土、紐など100均で揃えられるものがほとんどなので、一度まとめ買いすれば、そこまで手間はかからないと思います。
2つ目は、費用です。
MAGONOTEの料金は、プランによって異なりますが、「5,500円〜(税込)」となっています。
ですが、他の工作問題集と違って、工作以外のコンテンツがかなり充実しているので、費用以上の価値はあると自信を持ってお伝えできます。
以上の点を踏まえて、MAGONOTEが気になる方は、以下のボタンから詳細をチェックしてみてくださいね!
他の教材に関しても知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてくださいね!
今回は、小学校受験で出題される工作の課題内容やそれに必要な能力、対策方法などについて、おすすめの教材などを踏まえて詳しく解説してきました。
小学校受験の工作は対策が難しい分野の一つなので、幼児教室だけでなく、ご家庭でもしっかり取り組むことが受験でご縁をいただくためには必須です。
また、基本的な工作能力を身につけるためには、毎日コツコツ取り組むことが大切です。
そのため、小学校受験の工作対策で悩んでいる方は、今回解説したことを参考にしてみてくださいね!
ご家庭で毎日制作対策に取り組みたい方、お子さん1人で制作や巧緻性対ができる環境を求めている方は、ぜひ「MAGONOTE」もチェックしてみてくださいね!