【稲花小学校に受かる子の特徴】合格・不合格の子から分析!
こんにちは、小学校受験の現役講師兼コーチのかける先生です。
今回は、実際にご縁をいただいた子、そしていただけなかった子のケースを踏まえて、稲花小学校に受かる子に共通する特徴や必要な能力について解説します。
稲花小学校は、2019年4月に世田谷区に開校した新設校でありながら、初年度から私立トップクラスの倍率を誇る人気校です。
2025度の志願者倍率は約14倍、実質倍率(実際の受験者数による倍率)は約9倍となっています。
人気の秘訣はさまざまですが、世田谷という立地、そして、農大ならではの設備や専門家の先生によるご指導を最大限活用した体験を重視した授業、充実したアフタースクールなどが挙げられると思います。
また、稲花小学校の試験では、特に「ペーパー」と「行動観察」の2つが重要と言われており、ペーパーの難度は年々高くなっている印象を受けます。
さらに、行動観察では、リーダーシップだけでなく、自由な発想力、そして共感力や協調性なども重視されています。
加えて、事前面接では例年、親子課題として「絵本の読み聞かせ」が出題されていましたが、2026年度入試から「親子絵画」に変更されました。
このような試験内容からも、学校側がどのような子どもを求めているのかが垣間見えてくると思います。
そこで今回は、稲花小学校に受かる子の特徴について、プロの視点から詳しく解説していきたいと思います。
このページは約5,000字とボリューミーな内容になっているので、何度も読み返せるように必ずブックマークをしておきましょう!
まずは、今まで稲花小学校にご縁をいただいたお子さんやそうでないお子さんの特徴、実際の試験内容などを踏まえて、稲花小に受かる子に見られやすい共通点について解説していきますね!
現時点でご自身のお子さんに身についている点や、逆にこれから身につけなければならない点が何かを考えながら読み進めてくださいね!
1つ目は、話をよく聞ける子です。
小学校受験では、先生が口頭で問題や指示を出したり、音声が使用されることから、「聞く力」一番重要だと言われるのはみなさまも重々承知していると思います。
しかし、それに加えて、稲花小学校ならではの”理由”があります。
それはズバリ、稲花小最大の特長でもある「体験型学習」に大きく関係しています。
稲花小学校では、農大の設備をフル活用するだけでなく、各分野の専門の先生からご指導を賜る機会が数多く用意されています。
また、専門の先生方は農大で教鞭を取る先生方以外に、卒業生の方や関係者の方もいらっしゃいます。
その際、学校側としては、貴重な時間を割いてくださるその道のプロの方のお話をきちんと聞き、吸収してほしいと願っています。
そして、その土台となるのが「聞く力」になります。
しっかりと先生やお友達の話を聞いて正確に理解し、自分で考えて行動できるか、それが稲花小学校のペーパーテストや行動観察でチェックされています。
2つ目は「粘り強く取り組める子」です。
受験関係者や保護者の間では、稲花小学校のペーパーテストは難度が高いと言われています。
もちろん、お子様の得意・不得意によっても所感が変わると思いますが、ペーパーテストの特徴としては、主に以下の点が挙げられます。
・長めのお話の記憶
・点図形を織り交ぜた模写
・四方図
・パズルの要素を含む図形問題
・生物の知識を絡めた言語課題
・推理要素が強い数量問題
長めのお話の記憶は、先ほどお伝えしたように「聞く力」を試していると言えます。
そのほかに、ペーパーで特に重視されていると感じるのが「観察力」です。
特に毎年のように出される「点図形を織り交ぜた模写」や「四方図」、「パズル要素を含む図形問題」などは、よく見る力が大事です。
稲花では、生き物や植物に関する学びも多いため、観察力を試していると言っても過言ではないでしょう。
それと同時に求められるのが「粘り強く取り組む力」です。
先に挙げた点図形や四方図、そして推理要素が強い数量問題などは、しっかりと条件を聞き取ったうえで考える必要があります。
そして、このような問題では、選択肢をよく見て頭の中で検証し、答えを導き出す「粘り強さ」が必要になります。
そのため、ペーパー対策だけでなく、こういった力も日々の生活や親子の関わりの中で意識して養っていく必要があります。
ちなみに、観察力と粘り強さは願書でアピールできる重要な要素でもあります。
稲花小学校の願書の書き方に関しては以下の記事で詳しく解説しているため、こちらもあわせてチェックしてみてくださいね!

3つ目は、自然に興味や感心がある子です。
こちらは、稲花小を受験しようと考えている方ならよくご存知だと思いますのが、稲花では「生き物」や「植物」、「食」などに関連した学びが多いです。
また、稲花小学校の夏秋啓子元校長先生と杉原たまえ校長先生は、大きく括れば自然科学分野の研究者としてのご経歴をお持ちです。
さらに、ペーパーテストでは、言語問題の中で生物や植物、食べ物に関する知識を問われることも多いです。
以上のことからも、自然に対して興味関心がある子が求められていることはおわかりいただけると思います。
そのため、お話の記憶や点図形など単元ごとの対策だけをするのではなく、陸海空の生き物、植物、野菜、果物などについての知識を日頃の生活の中で深めておくことも大切です。
4つ目は、 コミュニケーション能力がある子です。
稲花小学校で特に求められている要素の一つに、まわりの子どもたちと関わりながら学びを深められる力があります。
もう少し分解すると、傾聴力・共感力・協調性・表現力といった、他者と関わるうえで欠かせない力を指します。
ここにも“稲花小ならではの理由”があります。
繰り返しになりますが、夏秋啓子元校長先生、そして今年就任された杉原たまえ校長先生は、いずれも研究者としてのご経歴を持っています。
研究の現場では、大規模調査や膨大なデータ分析など、一人の力だけでは進められないことが多く、周囲と協力しながら成果を生み出す姿勢が不可欠です。
そのご経験ゆえに、「何かを成し遂げるには、まわりと力を合わせることが大切」という価値観を強く持っていると考えられます。
また、これは言い換えれば「子どもたちにも他者と関わりながら課題を進める力を育んでほしい」というメッセージとも言えます。
実際に稲花小の入試でも、ペーパーと並んで行動観察が大きな柱となっており、そこでまさにこうしたコミュニケーション能力が総合的に見られているため、家庭や園生活の中で少しずつ育むことも大切です。
最後は、自由な発想をできる子です。
言い換えれば、子どもらしい考えを持ち、かつ、それを表現できる子どもです。
この”表現できること”が大きなミソです。
基本的に幼児期の子どもは、我々大人よりも、豊かな発想ができます。
しかし、それを心の奥にしまったままで、言葉にして伝えたり、形にして表現する力がなければ、試験という場で先生方には届きません。
そのため、これを読んでくださっている保護者の方には、ご自身のお子様が自由で豊かな発想を表現できるように、日々の関わり方を意識していただけたらと思います。
ちなみに、私はそのトレーニングの一環として、制作や絵画が重要だと考えています。
特に制作は、限られた材料や道具を使って、自分の発想を表現する練習になります。
また、自分の考えを形にすることで、さらに豊かな発想ができるようになります。
そのため、小学校受験対策の一環として制作も楽しく取り入れつつ、お子様の表現力を磨いていくと良いと思います。
お教室の制作の授業は、発想よりも正確性が求められるケースが多いです。
しかし、本来発想力は自由制作や、お子様が「作りたい」と思う中でしか育まれません。
そうした状況を踏まえて、オンラインで100種類以上の制作が自由に取り組める「MAGONOTE」という学習サービスを提供しているため、気になる方は以下のページもあわせて確認してみてくださいね!

今回は、稲花小学校に受かる子の特徴について、プロの視点から詳しく解説してきました。
この記事を読む前と後では、稲花小学校にご縁をいただくために求められる資質の解像度が大きく変わったと思います。
どの私立小学校でも「聞く力」や「コミュニケーション能力」は大事と言われてはいますが、稲花ならではの理由を深いレベルで理解することで、対策する際により意識しやすくなると思います。
稲花小学校を受験する予定の方は、ぜひ今回のページをブックマークに保存して、何度も見返すようにしましょう。
稲花小学校は、願書の内容も重要になります。
稲花小の願書の内容や具体的な書き方のコツについては、以下の記事で詳しく解説しているので、こちらも必ず確認してくださいね。

![小学校受験SPOT[スポット]](https://resigrit.co.jp/shogakko-juken_spot/wp-content/uploads/2024/02/shogakko-juken_spot_logo_blue.webp)
